日本が誇るレクサスのフラッグシップセダン、「LS」。世界と戦い続ける最高級セダンの魅力を紐解く

みなさん、こんにちは!今回のセダンラボでは、日本が世界に誇る最高級セダンのひとつ、レクサス・LSを現行型中心に紹介します。レクサス・LSは現在5代目が生産されていますが、初代から3代目モデルまで日本では「セルシオ」の車名で呼ばれていました。多くの人にとって、セルシオの名前は「憧れの高級車」として今も記憶に残っているのではないでしょうか。

初代モデルは、その圧倒的な静粛性と快適性、高い信頼性などで北米を席巻しましたが、その血統は現行モデルにも脈々と引き継がれています。今回はそんなレクサス・LSの魅力に改めて迫るとともに、現行モデルのおすすめグレードも紹介していきます。

レクサスの名を一躍有名にした立役者

レクサス・LSの初代モデルがデビューしたのは1989年のこと。なんと今から30年前にさかのぼります。トヨタはアメリカでの販売を目的とした新たな高級車ブランド「レクサス」を立ち上げ、その第一弾として最高級セダンの「LS(日本名セルシオ)」と、ミドルクラスセダンの「ES(日本名ウィンダム)」を発表しました。

参考:レクサスのフラッグシップセダン、「LS」買取専門ページ!

当時のアメリカの高級車市場といえば、アメリカのリンカーンやキャデラック、そしてドイツのメルセデス・ベンツやBMWといったメーカーが幅をきかせていました。日本車は高品質が評価されていたものの、あくまで大衆車といった域を出ていなかったため、アメリカの高級車市場に割って入るのは難しいと考えられていたのです。

しかし、トヨタは1980年代から長期にわたって緻密な市場調査を行い、そこで得られたデータを元に初代LSの設計・開発を開始。当時の北米の高級車ユーザーたちは、信頼性や耐久性の低さ、静粛性や快適性に不満を抱えており、トヨタはそこに初代LSの勝機を見出したのです。

初代LSの登場は、多くの高級車メーカーに衝撃を与えました。極めて滑らかに、そして静かに回る4リッターのV型8気筒エンジン。エアサスペンションが生み出す優れた乗り心地と、キャビン内の圧倒的な静粛性。ブランドとして出発したばかりのレクサスは、ただただ真摯に、クルマを構成する部品やメカニズムの品質や精度を極限まで上げたことによる「圧倒的な高品質」を武器に、わずか一代(一台)で「ブランド」を構築してしまったのです。

初代LSはアメリカで多数の賞を受賞したほか、売上でも初年度から年間2万台を売り上げる大ヒットを記録。この記録は、当時のメルセデス・ベンツ・Sクラスの売上の1.5倍以上という、新規参入の高級車では驚異的な数字でした。一方、日産も同時期に北米メインの高級車ブランド「インフィニティ」を立ち上げていましが、市場にはあまりインパクトを与えられませんでした。日産には、初代LSに匹敵する衝撃的なクルマが存在しなかったのです。

ダウンサイジングターボとハイブリッドの二本立て

レクサスの名前を一躍有名した初代LS以降、レクサスは着実にモデルチェンジを重ねていきます。2006年の4代目モデル登場時には、レクサスブランドの日本展開も開始。それまでの「トヨタ・セルシオ」の名前は消滅し、日本国内でもレクサス・LSの名前で販売されるようになります。

この4代目モデルも初代LS同様、非常に高く評価され、数々の受賞歴があります。LS460は、2006〜2007日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞、日本車として初の世界カー・オブ・ザ・イヤー受賞、ドイツを代表する自動車雑誌「Auto Bild」による「Auto 1」賞など、再びレクサスの名前を世界に知らしめました。

現行型の5代目モデルは2017年に登場。5代目LSは、それまでの保守的なセダンのシルエットを捨て、フロントマスクやシルエットも含め、大胆かつ若々しいデザインに変貌しました。特になだらかに下がるリアウインドウのサイドの流れは、世界的な「4ドアクーペ」のトレンドを取り入れていて、美しく優雅な印象でまとめられています。

搭載されるエンジンは、それまでのメインだったV型8気筒が消滅。代わりに世界的な流れであるダウンサイジングターボとハイブリッドの2種類のパワートレインが設定されています。LS500に搭載されるのは3.5リッターのV型6気筒ツインターボ。ダウンサイジングされているとは言うものの、性能自体は先代モデルを大きく上回り、422psの最高出力と600Nmもの強大なトルクを発生。2トンを超える重量級ボディを力強く引っ張ります。

ハイブリッドモデルであるLS500hには、3.5リッターV6とモーターを組み合わせ、システム合計359psを発生。走りの力強さと燃費の良さを両立しています。駆動方式は四輪駆動と後輪駆動両方が用意されていて、悪天候時の安全性を求める方は四輪駆動モデルを選ぶことでさらなる車両安定性を得られるでしょう。

グレードについては、先述のエンジン別(LS500とLS500h)に、“EXECUTIVE”、“version L”、“F SPORT”、“I package”、そして標準車の5グレードがあり、さらにその全てで四輪駆動と後輪駆動が選べます。全グレード合計で20種類の中から自分にあったモデルを探すことになりますが、これだけ選択肢が多いとなかなか迷ってしまいますよね。

ズバリ、おすすめグレードは?

セダンラボが推薦するベストグレードは、LS500の“I package”、その後輪駆動モデルです。その理由は、爽快感すら感じるドライブフィーリングにあります。

LS500に積まれているエンジンと組み合わせられるのは、電子制御の10速オートマチック。操縦者の癖を学習し、乗れば乗るほど使いやすいトランスミッションに育っていきます。リニアでパワフルなフィーリングのV6ツインターボと、スポーティなドライブフィールは相性抜群。よりスポーティな“F SPORT”を選ばなくても、軽快な走行を十分に楽しめます。

“I package”を選択したのは、標準車では「Lexus Safety System +」となる先進安全装備が、“I package”以上のグレードだと「Lexus Safety System +A」の上級仕様となるためです。これについては、後の項で解説します。

組み立て精度の高い精緻なエクステリアやインテリアは、全グレードでその高い完成度を体験できます。マッサージ機能のついたシートなどは、快適さと効果を体験してしまうと、なかなかこのクルマからは離れられなくなってしまうでしょう。

進化を続ける先進安全装備

現行型LSに搭載される「Lexus Safety System + A」は、他車でも一般的になりつつあるプリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、レーダークルーズコントロールなどに加えて、ドライバー異常時停車支援システム、ロードサインアシストなどを装備しています。現行型LSではこれらの機能や警告を、より直感的にドライバーに知らせるため、メーターパネルや大型カラーヘッドアプディスプレイを併用する点が特徴です。

例えばプリクラッシュセーフティ。「歩行者注意喚起・アクティブ操舵回避支援」という機能が備わっていて、歩行者を完治するとヘッドアップディスプレイに大きな矢印で直感的にわかるよう注意喚起。衝突の危険がある場合は、ブレーキを自動で制御し、ステアリングも自動で切って事故を回避します。特に、矢印で歩行者の位置を示す機能は世界で初めて搭載され、その見やすさが好評を得ています。

日本が世界に誇るフラッグシップサルーン

現行型LSは、登場から1年後の2018年に早くも一部改良を実施。今後も年毎の細かい改良が続けられ、さらに完成度を高めていくに違いありません。よりドライバーに焦点を当てたクルマに仕上がった現行LSですが、“EXECUTIVE”グレードはいわゆる後席優先のショーファードリヴン向け仕様となっていて、今までのユーザーの要望にもきちんと応えているあたり、隙のないグレード構成になっていると言えるでしょう。

世界的にクルマ業界は変革期を迎えていることは間違いありませんが、こうした高級車の世界はエンジンが電気かハイブリッドか、どのような仕様になっていくにせよ、必ず一定数は残っていくことでしょう。レクサス・LSの今後にも目が離せませんね。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

[ライター/守屋健]