日産の、いや日本屈指の「名家の系譜」である「スカイライン」。進化を続けるスポーツセダン、その魅力とおすすめグレードを紹介!

今回は、すでに60年以上の歴史を持つ、もはや「伝統的な」と言っても差し支えのないスポーツセダン・「スカイライン」の魅力について、改めてご紹介していきたいと思います。何度もモデルチェンジを重ね、名称消滅の危機すら乗り越えて未だ生産が続けられているこのセダンは、日産の、そして日本の宝とでもいうべき存在です。この記事では、スカイラインの変わらぬ魅力と、現行型のおすすめグレードについて、詳しく解説していきます!

初代モデルが発表されたのは、なんと1957年!

スカイラインの初代モデルが登場したのは1957年。2019年から数えて、62年も前のことになります。当時の会社名は「富士精密工業」で、のちに「プリンス自動車」に名称を変更したあとも、同社の主力モデルとして活躍。1966年にプリンス自動車が日産自動車と合併してもなお、「スカイライン」の名前は継続して使われました。

スカイラインといえばモータースポーツ色の強いイメージがありますが、そのイメージは実は初代モデルから培われたものでした。初代モデルは同クラスのセダンでは最速の性能を持ち、第1回日本アルペンラリーではライバルのトヨタと日産を差し置いて、1位と3位に入る活躍を見せています。

代を重ねるごとに、2ドアクーペ、5ドアハッチバック、ステーションワゴン、ライトバンなどのボディバリエーションが生まれましたが、現行V37型のボディタイプは4ドアセダンのみとなっています。とはいえ、V37型はデビュー当時「世界最速のハイブリッドセダン」をうたうなど、スポーツドライビングを意識した設計であることを当初からアピールしています。

スカイラインを語る上で欠かせないのが、レースで伝説的な活躍を見せたスポーツグレード「GT-R」の存在です。乗用車ベースでありながら、レースでの使用を前提として、メーカー自身がその時点での最高の技術を盛り込んで作られたスカイラインGT-Rは、結果として非常に高額になったものの、その時代時代の走り好きから圧倒的な支持を獲得。現在中古車でも高値で取引されています。現行の日産GT-R(R35型)は、残念ながらスカイラインとの技術的な繋がりはなく、全くの別車種として開発されました。

エンジンは2種類から選択可能

現行スカイラインV37型がデビューしたのは2014年。当初はハイブリッドエンジンだけの設定でしたが、発表から3ヶ月後に先代の2.5リッターエンジンを2.0リッターにダウンサイジング・ターボ化したモデルが設定され、2019年現在もこの2つのパワートレインから選択できるようになっています。

参考:日産の「名家の系譜」である「スカイライン」買取専門ページ!

ハイブリッドのエンジン構成は、306PSを発生する自然吸気3.5リッターV6エンジンに、68PSを発生するモーターを組み合わせる、1モーター2クラッチの「インテリジェント・デュアルクラッチ・コントロール」と呼ばれるもので、基本的な部分は同社のシーマ・ハイブリッドやフーガ・ハイブリッドと共通です。組み合わせられるミッションは7速オートマチックで、0〜100km/h加速は4.9秒とかなりの俊足を誇ります。

2リッターのダウンサイジング・ターボエンジンは、メルセデス・ベンツE250とほぼ共通のもの。2010年にルノー日産とダイムラーが結んだ協業契約をもとに採用されました。最高出力は211PS、最大トルクは35.7kgmと、ハイブリッドに比べると控えめな数値ながら、車重1680kgに対しては「必要十分」な性能を備えていると言えるでしょう。

2リッターターボモデルのはっきりとした利点は、ラゲッジスペースの大きさです。ハイブリッドシステムの駆動に必要なバッテリーがないため、ハイブリッド車のトランク容量400リッターに対し、2リッターターボモデルは500リッターと、100リッターのアドバンテージがあります。ハイブリッド車でもゴルフバッグ4個は飲み込むのですが、積み込みに気を使わずに済むのは大きなメリットです。

ハイブリッドモデルと2リッターターボモデルのもう一つの大きな違いは、ステアリングです。ハイブリッドモデルには、世界初のステア・バイ・ワイア機構である「ダイレクトアダプティブステアリング(DAS)」を採用。ステアリングの動きを電気信号でタイヤに伝えるもので、飛行機での世界はすでに一般的に広く採用されています。これにより、細かいステアリングの設定が可能になったほか、アクティブレーンコントロールとの連携もよりスムーズになりました。2リッターターボモデルには、車速感応式の電動油圧パワーステアリングを採用。こちらはすでに熟成が進んだ形式ということもあり、DASよりも自然なステアリングフィールを実現しています。

現行スカイラインのおすすめグレードはこれだ!

ここで、現行スカイラインのおすすめグレードをご紹介します。「350GT HYBRID Type SP」です。なぜセダンラボがこのモデルを選んだのか、その理由を説明していきましょう。

エンジンに関しては、高価ではあるもののハイブリッドモデルを選択したいところ。BMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラス、アウディA4と真っ向から対決できる動力性能とハンドリングを味わうためには、やはり2リッターターボでは若干の力不足を感じる場面も出てきます。燃費も2リッターターボモデルの13km/Lに対して、ハイブリッドモデルは17.8km/Lと、かなりの差があるのも事実。高速道路の長距離移動が多い方には、ハイブリッドモデルをおすすめします。

「Type SP」は、シリーズのスポーツグレードにあたるモデルです。本革シート、スポーツフロントバンパー、スポーツチューンドブレーキ、19インチアルミホイール、本アルミのインテリアフィニッシャー、アルミペダル、そしてパドルシフトと、「Type SP」ならではのこだわり装備が多数装着されています。特にパドルシフトについては、ワインディングロードなどで大きな威力を発揮することでしょう。

ちなみに、現行スカイラインにはハイブリッドモデルに限り、伝統の電子制御4輪駆動「アテーサET-S」を採用した4WDモデルもラインナップ。悪天候下でも安定した走りを求める方には、こちらも強くおすすめします。燃費も16.8〜17.0km/Lと、4WDとしては屈指の優秀な燃費性能を実現しているのもポイントですね。

充実の運転支援システム

現行スカイラインには、安心してスポーツドライビングを楽しむための、先進安全装備も充実しています。日産が「全方位運転支援システム」と呼ぶこれらの装備は、一体どのようなものなのでしょうか。

前方に関しては、インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)とインテリジェントエマージェンシーブレーキが搭載されています。特に、インテリジェント FCWは世界初の技術で、2台前を走る車両の車間・相対速度を新型ミリ波レーダーでモニタリングし、玉突き事故を未然に防ぐという機能です。

側方・後方に関しては、インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)、BSW(後側方車両検知警報)、インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)、LDW(車線逸脱警報)、インテリジェントBUI(後退時衝突防止支援システム)が搭載されています。

また、駐車時などにクルマを上空から見下ろしているような視点で表示するインテリジェントアラウンドビューモニターも装備。移動物検知機能も付いているので、人や自転車などの動くものを検知すると表示でお知らせします。

スカイラインはこの先も生き残れるのか?

現行スカイラインは、実は名称消滅の危機に瀕していました。このモデルは、日産の高級車ブランド「インフィニティ」を展開している地域では「インフィニティQ50」として販売されています。ライバルのレクサスとは異なり、日本では「インフィニティ」ブランドは展開されていないため、既存の日産の販売網で販売されていますが、スカイラインの外装・内装を見てわかる通り、細部にわたってインフィニティのロゴマークが使用されています。

デビューにあたり、日産の上層部では「世界統一の、インフィニティQ50のネーミングで販売すべきだ」という意見と「ネーミングの統一は日本市場を軽視していると取られかねない」という意見がありました。結果的に、デザインはインフィニティQ50のまま、ネーミングだけ「スカイライン」の名前が残されたのです。

世界的な傾向を見ると、日本国内だけで販売するクルマをプラットフォームから新たに開発するということは、ほぼ不可能と言ってよいでしょう。今後も、あらゆるクルマは世界販売を念頭に開発されていくのでしょうが、「スカイライン」のような伝統的な名称はただ残すのではなく、あえて「スカイライン」の名前で世界市場に打って出る!くらいの勢いで、素晴らしい後継車に期待したいところですね。それではまた、次回の記事でお会いしましょう!

[ライター/守屋健]